感動のうちに「記念演奏会&映画上映会」を開催しました
第20回コスモホール佐久第九演奏会のプレイベント「記念講演会&映画上映会」は、8月20日コスモホールでコロナ感染急拡大を受けて感染防止対策を徹底する中、130人を超えるご来場者を得て開催されました。
田原彰人第九演奏会実行委員長のあいさつに引き続く記念講演会では、12月の第九演奏会で指揮を執る栁澤寿男さんが「国や民族を超えて人と人の心をつなぐ 音楽の力」と題して講演。先生の指揮者活動の原点であり基盤ともいえるバルカンにおける音楽活動について数々のエピソードを交えてお話しいただきました。1990年代の旧ユーゴ解体過程における内戦や民族対立に関わる深刻なものから、時間にルーズなどのバルカンメンタリティのこと、当地の医療水準が心配でやっとのことでドイツに出て(盲腸の)手術をした話などなど興味深く、時には笑いを誘うようなエピソードが満載で時の経つのを忘れて聞き入りました。中でもコソボフィルのバキ・ヤシャリさんとの出会いから始まった、民族の共存共栄を願うバルカン室内管弦楽団の設立と治安の悪い中多くの困難を乗り越えて続けられた演奏活動は、まさに演題の「国や民族を超えて人と人の心をつなぐ音楽の力」の実践であり、多くの方に深い感銘を与えました。「とても感動した」「音楽の力をこれからも信じたい」「平和について考えながら歌いたい」などの感想が寄せられており、同団の活動を通じて伝えようとされる「皆が世界市民なんだと思うようになれば皆仲良く暮らせる」との第九の理念に通じるメッセージを、多くの方が深い共感をもってしっかりと受け止められたものと思われます。
映画上映会で上映された「ルートヴィヒに恋して」は、「こんなにもわが国で第九が演奏されるのはなぜ?」との問いに、次々と展開される参加者のエピソードで第九合唱にそれぞれが様々な思いを抱いて『私の「第九」』として真摯に取り組む姿を丹念に描くことで答えを見出し、「第九」と聞くと、とかく裃を着てしまう「第九」像に対して「普段着の第九」像をしっかり描いてくれていました。それぞれの生き生きとした「第九ライフ」に「感動した」「元気をもらった」「同感だ」「第九を歌いたくなった」など、合唱参加者は共感を覚え、勇気をもらい、敷居が高く、歌うことは自分にはとても無理と思われていた方に「私もやれるかもしれない」との希望を抱かせてくれるものとなりました。
記念講演会&映画上映会は、コロナ感染拡大もあって来場者は必ずしも多いとは言えませんでしたが、ご来場の皆様からはご好評をいただき、プレイベントとして来る12月の第20回記念演奏会へ大きな期待を抱かせる充実したものとなりました。